二枚入りビスケット

ウェイトレス
彼がそう言うと
世界は彼で、彼女はオブジェにすぎなかった
わたしはきっと、アクセサリーだ


それは、哀しい自信であり
空しい真実だった
彼がそういう人間だということは了解しているけれど
わたしもきっと、そういう人間だ


二枚入りのビスケットの袋が
不幸な音をたてる
運命共同体ではない
かたっぽが半分に割れて、もうかたっぽがひび割れ程度で済むこともある
愛とはきっと、袋のなかの空気だ


「愛して」と無理なお願いをする
やっぱり彼はいつものように
「愛はするものなのか?」と無形の声で問いかける
ピアスは、輝かない


「ウェイトレス」
もう一度彼が向こうに立っているオブジェを呼ぶ
世界は彼で、わたしは何だろう
わたしが世界なら、彼は何だろう
ビスケットの袋を、おもむろに広げたくなったんだ
そのとき




 しぇる



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ちょうど一年前に書き上げたもの。
女性目線で書いてみた(偶にする)。若干小説を書くことを齧った時期であり、こんな描写が懐かしい。
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by sheru19 | 2007-01-07 17:18 |  

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