breathe

世界の隙間から
気まぐれに染み出しているその呼吸音に
僕らはもう少し
耳を澄ますべきなんだと思う



それは
日々の雑踏にかき消されているかもしれない
けれど
「聞こえる」とか「聞こえない」とかいう問題ではなく
「そのように聞こうとする」ことが
今より半歩、生き易い呼吸法になる



悩まない少年は悩めない朝を迎え
悩めない少女は悩もうとしない夜を抱く
二十歳の僕らは境界線のないプールで
息継ぎの仕方がわからない



入り組んだドアを叩いては
返事がなければ進めない
そんなところにだけ妙に耳が利いて
僕らは僕らの呼吸を忘れている
世界が音をたてるのかはまだ疑問だけれど
僕らの呼吸が世界の音であってもいい



後ろから
あなたの滑らかな背中を抱いて
耳を澄ませてみる
丸いらしい世界の長方形の部屋で
孤独な呼吸音が、それでも
不協和音で在り続ける



このまま鳴り止むまで
単音になって
そして無音になる頃
まだ世界が音をたてるのかはわからないまま
世界のどこかで横たわっている
そう
宇宙の中心はどこであるとかは
まるでどうでもいいかのように




 しぇる

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by sheru19 | 2007-01-13 12:41 |  

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