黒の故障



窓から切り取られた空が
急に私たちの背中を襲った
楽譜から切り取られた音が
急に私たちの中からくつくつと毀れ始めた

黒い私が汚れていく
あっけらかんとした皐月の風とは裏腹に
黒が訴訟を起こし続ける
「キモチワルイ」という声は、本当に聞こえたのだろうか

黒も私を犯し続ける
まだ湿気を帯びない部屋の空気が
かえって私の癇に障った
黒い私が汚れ続ける

何になりたいのだろうか
何が雪を溶かしたのか
何が、あの奇麗な旋律を壊したのだろうか
音が私たちから乖離していく

壊した花瓶の破片を集めるように
壊れた心の破片を集めている
花を飾って、モノクロの
あなたが浚って、真っ黒の

数時間の沈黙の後
古い絵画のなかの手のように
私の手が病に脅かされていた
そしてこの侵食は終わらない



                          しぇる
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by sheru19 | 2007-05-07 15:47 |  

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