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ノスタルジックに



きれいな絵画があったなあ、と思ったら
固まった夕焼け空だった
その表面をおもいっきり叩いたなら
柔らかいだろうという想像を裏切って
カチコチに硬いのかもしれない
あたたかな色の奥に、それくらい冷たい意識を感じるから



湿度が低くなってきて寂しい
夜風が冷たくなってきて寂しい
そんな季節が今年もやってきたのだから
無作為に絡まった昔の記憶を少しずつ
震える指で掬い上げていい時期だ
思いは、熱を失ってまだ、どこかで厭な温さを抱えているものだ



もうどうでもいいと
世界など終わってしまえと呟く人ほど
きっと世界についてよく知っていて
きっとどこかでそれを好いているのだ
諦めなどなかなかできない
冷たい夜空の中へなど無論、希望を捨てることなどできない



部屋を抜ける風が心地好い
中途半端なわたしの体温を冷ましては
不気味な思いの温さの上を、爽やかに撫でていく
どうしたら忘れられよう、と
昔のひとの顔を思い浮かべては
この夕焼け空が消えぬことには
そのひとはずっとわたしの無機質な胸のなかの
不透明なガラスに映り続けるのだろう、と







                                          しぇる



*初出。久しぶりに新しいモノが書けた。
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by sheru19 | 2007-09-24 10:38 |  

宇宙以外



マンションの23階
水洗トイレの水を流した
トイレットペーパーの行方なんて知れない


日が昇る前に家を出て
日が沈んでから帰ってくる
カーテンは閉めたままだから
いっそのこと地下23階の部屋が欲しい


地下室にひきこもる
時間などないから、僕が神になった気分だった
時間などないから、ここが宇宙以外に少し近くなった
神のホルマリン漬をオブジェにしよう


いつから世界はこれほど殺風景になって
理不尽なことが多く、孤独が居場所を失ったのだ
恒常的な愛と恒久的な孤独、どちらかを選べと言われら
もちろん後者を選んでもらいたいのに


「色のない孤独を想像したことはあるか?」
神のホルマリン漬にはそんなサブタイトルが付いていた
ふいに、死が眠りに形容されるから
自殺者が後を絶たないのだと感じた


僕が死んだら
地下23階に埋められるのだろうか
それとも、宇宙へ埋葬してくれるのだろうか
そんなものは遺された者の自己満足や悩みなのだろうと思って、僕は
意識を宇宙以外へ連れて行くのだ
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by sheru19 | 2007-09-14 13:47 |  

message from/for



「初めから終りを見ている」
    気だるい夜はいくつも越えられるわけではない
    そう言って、同じ月を何度か見たと思う
    遠い異国の血を悲しむ君を
    隣にいる僕はどう、抱きしめればいい
    数学の宿題ばかりが早く、片付いていった


「1+1=最後の声は何だっけ?」
    アイスクリームがもう溶けて
    短足な恋愛哲学を闇の中で振りかざした
    最終的に人を動かすのは
    不可思議な衝動であっていい
    だからもう一度聞きたい、最後の声を


「いつも、いつか別れが訪れるのだから」
    君の辛かった過去を知りたいだなんて思わない
    けれど、そんな経験があったろうことは受け止めたい
    だって、そうでもしなければお互い受容できやしない
    一時的に補完できやしない
    夏が早く終わればいい
    僕の隣で頭を冷やす何かがほしいから


「ねえ、明日あたしにもう会えないかもよ?」
    悲観的に考える癖が、左ももの肉離れの経験のようにある
    ちょっとした衝撃でスイッチが入ってしまう
    そしてそれは君を困らせ
    そんなセリフを期待している
    わからない毎日が多いのに
    明日が何かなんて想像もつかないでいる


「愛しているなんて言葉に出せない」
    適度な質感をもった普通の日々が重なった後に
    振り返る僕がいたなら
    それでもいいかと思えるようになれた
    そんな日にふいに
    思い出したメッセイジ
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by sheru19 | 2007-09-01 14:23 |